書評『脱コルセット:到来した想像』

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フェミニズム書評、はじめました。

小綠

ジャイルー!シャオリュー(@GreenEyes_Fem)でーす!
イ・ミンギョン著『脱コルセット:到来した想像』
2022年3月30日紙&電子書籍、同時発行おめでとうございます~!!!!

俺は楽天で電子書籍を買いました〜イエーイ!!

昔の小綠

何でか分からんが、楽天は紙書籍の取り扱いがなかったから、本が欲しい人はAmazonか店舗に行ってね!

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昔の小綠

俺は2020年に脱コルに出会ったから……約二年待った……⁉︎

小綠

その通りだね〜〜! いや〜感無量だよ!!
という訳で速攻紹介します!

昔の小綠

シャオリューの書いてるのは書評なのか?? レビューや感想と何が違うんだ?? という疑問は自分でも湧くが、一応【書評】の定義だけ置いとくぜ!

書評とは主として新刊書籍の内容を批評すること。通常、著者紹介、内容の紹介や分析、客観的位置づけなどが行われるが、印象批評の色彩が強いものや、なんらかのカテゴリーやテーマを設けて類書を選択・比較するものも含まれる。

コトバンク 日本大百科全書(ニッポニカ)
小綠

いくら文章が上手くても、リベフェミやトランスカルトの書いたコラムや書評って、机上の空論だったり何をどうすりゃいいのか分かんないし、いつ背中から撃たれるか気が抜けないからというだけで【書評】を使ってま〜〜す!!
イ・ミンギョンさんやキム・ジナさんみたいなラディカルで有名で言葉の上手い方が日本にも居たら、恥ずかしくって絶対使ってない〜。

著者紹介

小綠

イ・ミンギョンさんは、今更説明するまでもなく有名な韓国のフェミニスト作家だね。
やっぱし一番有名なのー作目の『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』かな?

昔の小綠

『失われた賃金を求めて』は未読なんだけど、女男賃金格差の大きい国がOCED加盟国中第一位の韓国と、ブービー第二位の日本では必読の本だよねえ……。

小綠

著者プロフィール見たら、いまフランスで博士課程中なんだ! 高等教育の教員か、研究者になるための大学に通われてるみたい。なのに日本語未翻訳本が結構あって速筆すぎる……!

ピックアップ

昔の小綠

この本はイ・ミンギョンさんが脱コラー(注:脱コルセットを実践する人を指すことば)たちにインタビューをし、それらを文字起こしし、彼らの言葉の通訳者になり、脱コルセット運動のメッセージを翻訳した記録です。

小綠

年齢も立場も様々な女性たちが、どんなふうに脱コルと出会い、どんなふうに実践しているのか。当然ながら本当に千差万別!

昔の小綠

笑い事ではないのについ笑ってしまったのは、韓国でも脱コルに対して同じような疑問を抱いたり、誤解をされたりしてるところやね。

小綠

……前『根のないフェミニズム』を読んだときにさ、俺はこの人たちの足を引っ張ることはあっても、【女性同士の助け合い】やシスターフッドなんて、絶対に叶わないって思っちゃったんだよね。俺からしたら超人すぎてさ。
この本に出てくる女性たちはフェミニズム活動家とかじゃなく、一般職やアルバイトで脱コルをしている市井の女性です。みんな自分と折り合いをつけながら脱コルに挑戦していて、身近に感じて安心してしまったよ。

昔の小綠

さてこの本から特筆すべきところをピックアップするのは難しいな?
ひとりひとり、様々な観点から脱コルに対して語っている訳だし、すべての女性の経験に痛みと学びと含蓄がある。

小綠

という訳で、著者のイ・ミンギョンさんの脱コルへの気づきを取り上げます!

これまでの数ある問題の中で脱コルセットは、特に身体そのものをテーマとしている。

これまでの窮屈さから逃れて身体を動かすこと、行動するというルールに従ううちに柔軟になった身体にいぜんとして残っている慣習を見つけ出すこと、そこから新たな認識の枠組みを作ること。

これが脱コルセット運動の最大の意義だと感じている。

(中略)

脱コルセット運動に参加する前に抱いていた数々の疑問を解決するのに、もっとも有効だった気づきが一つある。脱コルセット運動は結論を出してから立場を決められる問題でも、論争のために提示された抽象的観念でもなく、自らの身体の感覚で読み解いていくしかないものだということ。

頭で悩んだところで、疑問は堂々巡りするばかりだ。

自分の身体がおかれている現実、現実におかれている自分の身体から出発しなければ、けっして脱コルセット運動についての議論を正しく理解することはできない。

脱コルセット:到来した想像
小綠

まず身体!!!!一に身体で二に身体!!三四がなくて五に身体!!
俺たちは女の身体を持っていたから、生まれた瞬間から死ぬまで男に隷属し産む機械だと信じられてんだよ!!!!
机上の空論捏ね回してるアカデミアフェミニストや、ジェンダー学者(笑)はここだけでも百回読め!!!! 何がシス女性は特権持ちじゃ!!!! まー身体じゃなくスカート履いて髪長いのが女だと思ってる非科学的な奴らに、この本の内容を理解できるとは思えないけどな。

昔の小綠

イ・ミンギョン読め! キム・ジナ読め! 何がバトラーじゃ!! 今フェミニズムの最先端は韓国だ!!!!

評価

小綠

失礼。本気に大真面目ですが荒ぶりました。じゃーこの本の素晴らしいところ、良いところ、今ひとつだと思ったところを、シャオリューの独断と偏見によってピックアップします!

昔の小綠

二年も待った本なら色々情緒が煮詰まりすぎて、評価甘々になるか逆に辛辣になるかしてない?

小綠

それはだいぶ心配した。でもイ・ミンギョンさんが仰る“爆発的な感情と鋭い洞察”の女性たちの話を聞いて、ちょっと落ち着いたと思う。まあ聞いてくれ!

Excellent!

  • 日本語圏初の脱コルセット本!
  • 日本語で脱コルセットの正しい知識を読める!
小綠

何度もごめんだが、結局これ。間違った理解や単純な理解をしている人がいるのも、ある意味しょうがないとこあったんだよ。正しい知識を得たいならTwitter何時間か潜るか、WOMWIKIを機械翻訳にかけるしかなかったんやから。でもそんなこと他人に言ったらそれこそ“強要”じゃん?

昔の小綠

確かに改めて文章にすると、学習コストすごいな……。しかもググれって簡単にいうけど、検索って結構高等スキルだよな〜。でもさ、今度は300ページ越えの約2000円の本だよ? それはそれで別のハードル上がるんじゃない?

小綠

フェミニズムを語るのに、勉強が必要だとは俺は思わない。フェミニズムは経験とユウキから始まるから。だけど実際に行動してみたいなら、学ぶのは必須じゃないかな。行動を伴うフェミニズム活動に興味があるなら、何年かけてでも買って、何度も読む価値があると俺は思う。

昔の小綠

活字嫌いとかひとりで本読んでると寝る体質とかなら、仲間と一緒に集まって読んでもいいかもだな〜! 一人では至らなかったところまでいけるかもだ!

Good

  • 韓国の脱コル女性に何が起こったのかを、日本語で知ることができる。
  • 俺たちに起こっていることは、彼らにも起こったことだというユウキをもらえる。
小綠

もちろんTwitterでも、韓国の脱コル女性には会えたよ。ただしTwitterの機械翻訳かpapago翻訳にかけなきゃならない!!

昔の小綠

韓国語翻訳にかけちゃpapagoは頭ひとつ抜けてるけど、それでも分からんとこは分からん〜〜ってなるもんな〜〜。

小綠

例えばこの本の中で【中身脱コル】と翻訳されている単語は、日本語圏脱コル界隈では【内的脱コル】と言われています。でも普通に理解できるし、翻訳者さんの意図は分かります。これが人の翻訳の力〜〜!!

昔の小綠

二年間機械翻訳でわからない思いばかりしてきたから、怨念がすげーな!
次!

小綠

ほんとのほんとに、彼らの疑問や問題は日本でも起こっていることなんだよ! 知ってたつもりやったけど、元々の文章が秀逸な上、日本語で読むと理解度が段違い! これが母語の力〜〜!!

昔の小綠

はいここまで〜! テンションがおかしいけど、分かってくれ……。二年間まじで色々あったんだよ……。

Poor

  • 4B 6B 4Tの話が出てこない。
  • 日本のメディアが脱コルセットを特集する際、正しく取り扱わなかったことを記録していない。(編集後記において)

4Bは必須、6Bは発展、4Tは努力だ。

4Bは男性を排除することであり、6Bは女性と連帯することであり、4Tは自分の人生がすなわち運動になるようにするものだ。

4Bとは、非婚、非出産、非恋愛、非性交のこと。

6Bとは、上記の4Bに協力(非結婚者が非結婚者を助ける)と非消費(女性嫌悪商品不買)が加わったもの。

4Tとは、脱コルセット、脱宗教、脱アイドル、脱オタクのこと。

更に7Bとは、6Bに非道徳(脱道徳コルセット)が加わったもの。

@6B4T_PDS様、@rangrangrf様のツイートをpapago翻訳の上抜粋。
7Bについては@akaikusurinonda様のツイートから引用。
小綠

これな〜……。いや、非婚って言葉はでてきたし、まったく出てこないって訳じゃない。ただな……俺は脱コルに対する誤解って、運動の中で脱コルだけを独立させるから起こってるとこないか? と思ってる。

昔の小綠

う〜ん? 4B 6B 4Tって、韓国じゃそこまで言わないのかな?

小綠

それならそれでいいんだが、俺はこれからもこの基本を前面に押し出すし、大事にしたい。脱コルセット運動は、韓国の女性たちが作り上げた家父長制社会を壊すための社会運動だからだ。俺たちは外国人だから、情報の取り扱いは慎重すぎるくらいでちょうど良いと思う。

昔の小綠

三文メディアや週刊誌の記事はともかく、まがりなりにも日本の公共放送のNHKが韓国の“か”の字どころか、女性の社会運動だとも言わず「脱コルは自己実現!(キラキラ)」な放送をしてTwitterで抗議運動があったことを忘れちゃ駄目ってことだな。

小綠

あれは日本人がTVで脱コルという言葉を曲解し簒奪した、と言っても過言じゃない事件だった。日本人がしでかしたことを日本語の本に記録しないのは、誠実だとは俺は思えない。
歴史を正しく知りたい女性は 【#おはよう日本】、【#脱コルセット】 で検索だ!

まとめ

小綠

……とても冷静ではいられなかった。

昔の小綠

……うん、そうだな。
もうここまでぶちまけたなら、個人的な感想言ってもいいんじゃね?

小綠

言うわ。

脱コルセットに接して覚醒したとしても、その状態をずっとキープしながら、自分と一緒に生きていかなきゃいけませんよね。

すると、自分を説得する時間がものすごく必要なんです。これはドラマじゃないから。

(中略)

この運動は個人的な話を共有しながら起こるもので、誰かリードする人がいるわけじゃないからなんでしょうけど、脱コルセットの感想はみんな極端なんです。

脱コルセットは素晴らしいという話オンリーで。

いくら考えても、韓国で脱コルセットがそんなに簡単にできるはずないのに。

みんな、覚醒後によくなった部分しか話さないから、現実味に欠けるんです。

脱コルセット:到来した想像
昔の小綠

ほう? なんでここ?

小綠

ここの引用はへミンさんって方なんだだけどさ、彼の気持ちが痛いほど分かった。みんながうまくやってる様に見える中、上手くできないって、どうやったらいいか分からないって、大変だって言うのめちゃくちゃ怖いことだよ。
全ユウキを振り絞ったって、俺にはとても言えないと思った。

昔の小綠

脱コルの話は主にTwitterでされてるけど、あそこは公共の場だからな〜。言いづらいこともあるし、読書会ができるような気安いメンバーで、内々に話したりする方が安心はできるかもな。

小綠

脱コルのことをTwitterやTV、ネットニュースでしか知らない女性たち、口だけ威勢のいいフェミニズムに飽き飽きしているフェミニストのみんな、脱コルのことを話せる仲間がいなくても、この本を読めば脱コル実践者たちをとても身近に感じられると思う。
俺も何度も彼らの話に相槌打って聞き入って、自分も彼らの仲間なんだと思えたよ。
とにかく脱コルセットの一次情報を知ってくれ〜〜!

昔の小綠

女から人へ。今、ここから、別の世界へ! だな。

小綠

読んだ皆は俺と握手ーー!!
握手の後は、自分とすべての女性たちのために一緒に行動していこうぜ!

それではまた次回お会いしましょう。ハヨンガー!!

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