シャオリュー読書記録【3月】

小綠

3月の読書記録を、フェミニストとして書いてみた。
シャオリューが読んだ本と、感想に興味がある女たちだけ読んでくれよな!

目次

『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』

Twitterに居ると、定期的に噴出する話題があることに、うんざりすることがある。

理由はその話題が発展しているならともかく、いつも同じ話にしかならないからだ。

フォロワーが大体同じような思考の方で固められているから?

いや、発端となる問題発言をするアカウントはいつも違う。

大抵いつもルーキーが自信満々に、古びた話題を自分が初めて発見したかのようにツイートしている。

そして愚痴が思わぬバズりになって、垢消しなんて珍しくもない。

いやもちろん垢消しして作り直し、同じツイートを繰り返しているという可能性は捨てきれないが……。

大抵いつも同じように燃え上がり、下火になる頃に何の発展もなく次の話題に移り変わる。

TLは水物で議論を深めるには適さないという事情を差し引いても、ほとんどの場合考えもなく思いついたこと、世間で言われていることをそのまま繰り返しているだけ。

そのことにうんざりしている人たちに、本書から更にうんざりする情報だ。

実のところ、自分の意見を否定するような情報を提供されると、私たちはまったく新しい反論を思いつき、さらに頑なになることもある。これを「ブーメラン効果」という。

『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』ターリ・シャーロット

人間誰しもこういう感情を持つ、それはわかる。

しかし女の場合、これが身体の安全、命に関わってくる。

世界が女性差別で形作られている以上、多くの否定をせざるを得ないからだ。

では人に意見を変えさせるまで行かずとも、誰かに影響を与えるにはどうすればいいのか?

ここには思わず己を顧みた。

私たちは自分の頭の中からこの作業に取りかかってしまう。

つまり、誰かに影響を与えたいとき、何よりもまず自分自身を念頭に置き、自分にとって説得力があるもの、自分の心理状態、欲望、目標などを考えるのだ。

しかし当たり前のことだが、目の前にいる人の行動や信念に影響を与えたいのなら、まずその人の頭の中で何が起こっているのかを理解し、その人の脳の働きに寄り添う必要がある。

(中略)

しかしながら人間は、情報に対して公平な対応をするようには作られていない。

数字や統計は真実を明らかにするうえで必要な素晴らしい道具だが、人の信念を変えるには不十分だし、行動を促す力はほぼ皆無と言っていい。

(中略)

実のところ、今日の私たちは押し寄せる大量の情報を身に受けることで、かえって自分の考えを変えないようになってきている。

マウスをクリックするだけで、自分が信じたい情報を裏づけるデータが簡単に手に入るからだ。むしろ私たちの信念を作っているのは欲求だ。

だとすれば、意欲や感情を利用しない限り、相手も自分も考えを変えることはないだろう

『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』ターリ・シャーロット

そのうえ相手が意見に同意するには、その人の感情やその日の天気も左右するという研究結果が出たときには、思わずひっくり返った。

にんげん動物すぎる!

今日なんか上手くいかないのは低気圧だから気にすんな! というツイートが低気圧の度に多くの人の共感を得ているが、あれは科学的にただの事実なのか……。

この内容に反論したくなる人はそれなりにいるだろうけれど、俺はむしろ納得してしまった。

トランスはマイノリティ! と女性を脅してケアさせるTRAのアプローチは、実際そこそこ的を射ているってことだな。

高尚な横文字の思想、何するものぞ。

人間は自分達で思うよりも、欲望だけで動いているのだ。

ちなみに人種差別や女性蔑視が前提にある場合は、本書の効果は綺麗すぎて発揮しないと考える。

黒人や女性は情報に対して、公平な対応ができない訳ではない。

黒人は多くの医療で実験動物扱いされてきた文脈があるし、多くの薬は健康な成人男性用にしか作られていないし、女性の痛みは現在進行形で無視されているから信用におけないのだ。

以上の理由からこの本は基本的に、白人女性と男たちのための本だとの結論を得た。

しかし説得力と影響力が科学的に研究されているのを、知っておいて損はない。

ちなみに著者はTEDでは『楽観主義バイアス』について語っている。

『ヤンキーがお金について解説してくれる漫画』

Twitter風物詩、既婚子持ちの子なしは独身税払えVS 3号女性の税金払ってるのは単身女性含むすべての労働者。

俺含めうんざりしている方は多いと思うが、視点を変えれば税金とは何か? を、勉強する良い機会なのかもしれない。

という訳で『ヤンキーがお金について解説してくれる漫画』を読んでみた。

Twitterで見ることもできるが、是非【財源研究室】に収められている全シリーズを読む方がいい。

既婚子持ちのひとが定期的に言う、独身税なんてかけたらどうなるのかは、既に歴史が証明している。

1966年に起きたルーマニアでの失敗を、現代の日本で繰り返すなんて頭が悪すぎるし、それこそ国を滅ぼす悪行だ。

そして単身がよく言う、子どもにかかるあらゆる手当は、今を生きて働いている単身の税金でまかなっているんだが? という返事。

実はこれも正しくない。

このシリーズまんがを読むと、最近単身女性たちがどれだけ理論的にレスを返していても、中々ふぁぼれなくなる。

だってそもそも、税金は財源ではないからだ。

すべての国は、この土地に住んで働いてもらうために独自通貨を発行して、この土地に住み続けてもらうために税を徴収している。

だから日銀が発行したあと税金として戻ってきたお金は、政府にとってはただの紙なんだ。

アメリカなら税金として戻ってきた紙幣はシュレッダー行きだ。

何を言っているのかわからねえ?

安心してくれ、俺もぜんぶ理解している訳じゃない。

本当の経済って奴はラディカル・フェミニズムと似てて、これまで受けてきた洗脳を解く必要がある。

ゆっくり何度も読み返そう。

財源研究室さんに願うことは、可能ならブログ型ではなくサイト型で運営してほしいってことくらい。

やりたいことや言いたいことが多いのはものすごくわかるのだが、ブログ型サイトで賄うには情報量が多すぎる。

その結果初見の人間は、まんがに辿り着くまでによくわからなくてドロップアウトするか、ポカーンとして迷子になってしまう。

(実際どこで漫画が読めるのか探しまくった。

読んで見たい方は、一番下までスクロールして青い場所にあるヤンキーの経世済民の漫画をクリックしてください)

今を生きているすべてのひとが、社会と未来を支えている。

この事実を認められて、なおかつ自分達は騙されていたのだと、どれだけの人が認められるか。

この土地の未来は多くの人が日帝カルト、新自由主義の自己責任論から抜け出して、すべてのひとを大事にできるかにかかっている。

ほんまに重要で限られた財源はその国に生きる人たちや

ヤンキーが税金を解説してくれる漫画

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