読書会アフター!〜読書会の感想送ったら、内的脱コルすることになったの巻⁉︎〜【前編】

目次

レスバで始まるリズムに合わせて?

小綠

は〜〜〜〜読書会終わった〜〜……‼︎‼︎ 言い始めて半年くらい経ってしまったけど、やってよかった〜。おもしろく思ってもらえたらいいけど……どうかなあ……。

つまり

こんにちは。

小綠

うわーッ⁉︎ とか言ってたら凄い長文のリプが来たー‼︎‼︎ リプっていうかお手紙だ⁉︎ そうだ、お手紙をもらったなら……お手紙で返すしかない‼︎‼︎

つまり

うわっ‼︎ 長文感想送ったら長文返事が帰ってきた⁉︎ こ、これは私も長文返事を書かなくては……‼︎‼︎

小綠

ちょっとまったー‼︎ タイム!タイムを要求します!

つまり

シ、シャオリューさん⁉

小綠

このままでは長文リプのやり取りが終わりません! まどろっこしいので直接お話ししませんか⁉

つまり

え、いいんですか?

小綠

むしろいいのかどうかお伺いしたいのはこっちなんですよ! 1400回再生されて直接言及してくれたの、つまりさんだけなんですよ⁉︎ 一人目のご感想記念にウチのブログで何か喋っていってください! ようこそ! 逃がしませんよ!!

つまり

最後に本音が……分かりました。こういうのは初めてですが、そういうことでしたらお邪魔します!

スペースのハードル

小綠

という訳で、どうもこんちは、シャオリューでーす。先日は『脱コルセット:到来した想像』の読書会に、多くのご参加を頂きありがとうございました。最近アーカイブの再生数にビビってます。

つまり

改めまして初めまして。先日の読書会にリスナーとして参加させていただいた「つまり」です。読書会後に感極まって長文のお手紙をお送りしたところ、シャオリューさんから長い長いお返事をいただいて……。

小綠

話が長くなったのでブログで話さないかお誘いしましたwwww

つまり

まさかのお誘いでしたが、私ももっと話したかったのでお招きにあずかることに決めました。

小綠

つまりさんは元々誰かのフォロワーだったんです?

つまり

全然FF外です。スペースのためにそーっとぺりぺんさんのフォローしました。

小綠

え⁉️ どうやって読書会開催を知ったんですか?

つまり

ずっと定期的にTwitterで『脱コル』で検索していて、ちょうどタイミングよく。

小綠

え⁉︎凄い! けど……どういう意図で検索されてたんですか?

つまり

情報収集がしたかったんです。特に脱コルに関して日本では本が出るまで脱コルまんが以外に情報源があまり無かったので。

小綠

情報収集‼︎ 誰かと繋がったりは……。

つまり

ほとんどないです。人見知りなのもあり、交流ではなく色々調べることだけが目的で使っているというか……。

小綠

けど読書会は参加しようと思ってくれたんですよね。何故でしょうか。

つまり

リスナー参加だったら情報収集の延長のつもりでした。それに脱コルしてる人の生の声を聞ける機会って本当に貴重なので‼︎ ご挨拶もなしに参加は失礼かと思いつつも勢いのままに。

小綠

はーなるほど……。いろんな方がいる。いや正直全く思い至らない経緯でした。

つまり

いやいや、リスナー参加はハードルが高いけど、録音なら聞きたいって方は普通に多いと思いますよ。

小綠

えー……そんなもんですか。その場にいるならともかくスペースって、ラジオみたいに音源が聞きやすい訳じゃないと思うんですが。

つまり

認知されたくはないけど知りたい感じの層にとって、アーカイブは都合がよかったんじゃないでしょうか。脱コル界隈の誰かをフォローするまでは気が進まなくても、録音なら匿名のまま誰でも聞けるでしょう? 実際脱コルの話を日本語でしている方はまだまだ少ないので、とりあえず聞いてみようと思った方もいるのでは?

小綠

はーーへーーなるほどぉ……。Twitterで繋がらなくていいので、今後もちょっと興味ある層に聞いて頂けたなら嬉しいですね。何かめっちゃストイックな女性服着ない化粧しない連中だと思っている方々の誤解が解けたら嬉しいwwww

つまり

そうだと思います。脱コル実践する中での本人の葛藤をこうしてお聞きすることで、生身の人間がやっていることなんだと感じることができて、私はすごく勇気づけられました。ツイートや記事は読んでましたが、実際に声を聞くのはやっぱり違いました。

小綠

う、嬉しい……。じゃあもうちょい深掘りして読書会どうだったかのお話をお伺いさせてください

ネクラとネアカ

小綠

ではさっそく読書会に参加してどうだったかをお聞きしたい‼︎‼︎
だって1400回会再生あって、ご感想頂けたのつまりさんだけですよ⁉

つまり

テンションぶち上がりました‼︎‼︎

小綠

どゆこと⁉︎ いや嬉しいですけど。そこまでですか⁉

つまり

初めて脱コル実践者の実在を確認できたので。

小綠

あーーその感覚は分かります。SNSって実際に声聞いたり会うまで、人とやり取りしてる感薄いですよね。いや別にやり取りしてる相手をAIだと思ってる訳ではないんですが、人間の機能がツイートと会話は全く違うコミュニケーションだと認識しているというか。

つまり

そうですね。実際に葛藤したり、励まし合ったりしているのを目の当たりにして、アドレナリンが止まりませんでした。

小綠

お手紙にもありましたけど、A型さんの話が参考になったんですね。

つまり

そうなんです‼︎ 楽しい思い出のある服なんかは、今はもう着ないし場所も取るので処分したいのに、自分もなかなか捨てられずにいて……。
でも脱コル実践しているのに人形服を捨てられない宙ぶらりんの状態って、他の脱コル頑張っている人には申し訳がないから相談もできない。
そのまま目を逸らしてきた部分でした。

小綠

つまりさんも自分の頭で考えて、納得する方法を見つけないとですね。誰か偉い人に言われて行動するのは、社会運動ではなくカルトです。脱コル運動は核はそのままに、自分で使いこなす方法を見つける必要があります。

つまり

そうですね。私は今の職場が着飾らなくても良くて普段は脱コルしてるというのもあり、その意味でA型さんのお話は本当に参考になりました。

小綠

なるほどー。職場では化粧しなかったり、パンプスとか履かなくても大丈夫なんですね。

つまり

スーパーのレジ打ちなので、そこまで強制力ないですね。

小綠

よかったですね! 俺も職場の装飾にはだいぶ敏感になりました。

つまり

……稼げない学部に女が行くって話は、かなり強烈でした。突きつけられました。

小綠

あはは。まだ小学3年生の算数やっといて、偉そうなことを言ってるだけです。

つまり

自分がまさに社会学部出身なので。社会の構造や問題を体系的に学べたのは凄く楽しかったのですが、目に見えて自分の手元に残るものが文系はわかりづらいんですよね。それで就活中も大変でした。何がしたいのか何ができるのかも分からなくなってしまって……。

小綠

社会学部卒と小3の算数比べるのおかしくないです⁉︎ まあ言いたいことは分かりますけど。俺も脱コルまんがを読むまでは、実学を学ぶの全然興味持てませんでした。大事なことなので繰り返しますが、数学とそのとき一番権力のある言語を学ぼうと決心したのは権力と金を産むからです。

つまり

み、耳が痛いです笑。シャオリューさんのお返事にありましたが、アカデミアフェミニズムに失望して、文系を学ぶことに限界を感じたというのは私もそうでした。入学後すぐに受けたジェンダー論の講義はフェミニズムが専門じゃない教授が片手間に授業していたのですが、当時のレジュメを今見返すとトランスジェンダーの回とかヤバイですね!!よく知らないのに適当なこと言うなよと。

小綠

まあジェンダー論なんてもっともらしいこと言って、女性差別の体裁整えてるだけですからね……。つまりさんの受けた授業はどんな感じやったんですか?

つまり

まさにTwitterそのままでしたよ。トランスジェンダーは人権が認められていないのは問題だ〜とか、トイレや風呂の利用に際して主に女性たちから反発されている〜とか。グループワークでアライになろうって発表したチームが、教授にめちゃめちゃ褒められる、とか。

小綠

ゲ〜〜アホくさ〜! 女性差別について学べるならともかく、授業料の無駄すぎですね! いやそれよりこんな授業受けりゃ、大学生がTRAになるのも無理ないですね……かわいそうに。

つまり

そうですね。ジェンダー論の大筋の講義では、ジェンダーは社会的に作られてきた女/男らしさだと散々っぱら言ってたのに、最近のジェンダーに関連する問題を紹介する回になって「ジェンダーをトランスする人」の自認性別の風呂トイレ利用の権利の話になってました。

小綠

話の前後の辻褄が合ってないというか、筋が通ってませんよね。学問以前の問題な気がします。

つまり

本当にそうです。ジェンダー論の授業はそれまで女性差別に興味のない層が考えるきっかけとしては良い機能になりそうなだけに、残念感が大きいです。

小綠

つまりさんはTwitter上でよくいる、アカデミアに騙された若いTRAにならなかったんですねえ。自分の違和感を信じていたからですか?

つまり

違和感というか自分が少しの引っ掛かりを覚えた時に、沢山の情報と理論で地に足のついた主張をしている市井の女性たちを見つけられたからです。でも社会的に力を持つ側にどうやって対抗していけばいいのか、手探りな状況の中で絶望感が膨らんでいってしまうと言うか……。

小綠

色んな情報が転がってんのは、Twitterの数少ないメリットですね! けどトランス問題は個人が突き詰めすぎると病むので、程々になさった方がいいと思いますよ。普段は自分ひとりの努力で、少しでも変えられることに目を向けた方がいいです。

つまり

……だから脱コルセット、ですか。

小綠

365日自分のペースでできるデモなんて、他にはないからお得すぎじゃないです? 選挙や女性スペースなんかの話は、とてつもなく大事な話です。でも自分一人の意志ではどうにもならず、どんどん世の中悪くなっていくでしょう? そりゃ社会に絶望もしますよ。俺は日本人女性がこれ以上学習性無力感を感じるのは危険だと思います。

つまり

読書会でも思ったのですが、シャオリューさんって吹っ切れてますよね。私はネガティブで……どうやってそういう風に考えるようになったんですか?

小綠

そうっすか?ありがとうございます? いつもありとあらゆることに悩まされたら疲れるだけなんで、問題を整理して考えるようにしてるだけですよ。社会が変わらなければ変わらないことと、自分一人で変えられることを分けるんです。脱コルで個人が少しずつでも社会を変えていると分かったら、自分の人生をコントロールしているという感覚が生まれます。 しかも自分の行動は、同時に社会に影響も及ぼすんです。一石二鳥じゃないです? ネアカと言われたらそれまでですけど。

つまり

ポジティブに考えるようにしている、のとはちょっと違いますか。

小綠

むしろ俺は無駄にポジティブにならないように気を付けてます。リベラルの言うガールズ☆エンパワーメントみたいに、見た目だけそれっぽくしたってしょうがないですから。自分で変えられることと変えられないことが分かっていれば、ネガティブなのが悪いことだとは思いません。真面目で危機管理能力が高いってことです。

つまり

無駄にポジティブww それは確かにダメですねww

小綠

逆に無駄にネガティブってのは、いつ来るか分からない地震をいつも怖がっている、みたいな感じじゃないです? だってもし恐怖から日本脱出して地震からは逃げられても、自然災害に終わりはないじゃないですか。 社会もそうです。釈迦に説法でお恥ずかしいですが、日本は女性差別が蔓延っていて何一つ良くならず後退しているようにしか見えません。 でもそもそも普通、一代二代じゃ国は変わらないんですよ。変化が目に見えないのは当然です。

つまり

……私は自分ではどうにもならないものを、いつも怖がって疲れて絶望している気がします。

小綠

ただ脱コルが生まれた韓国とお隣っていうのも、絶望に輪をかけているのはあると思いますね。隣なのに、この差ですから。けど日本と韓国は似ている以上に、全然違う歴史と文化を持ってます。見習うべきであって、自分らを貶めたって何にもなんないですよ。

つまり

……ずっと自分が発信することへの萎縮癖がありました。実生活でも言葉が上手くないからと、思うことを言えないことが多いんです。脱コル実践も、検索して情報や勇気をもらいながら、ひとりでやっているような感じで。今思えば他の方々が発信していることの恩恵を一方的に受けていただけで、自分が実践する中で考えていることを言語化して発信することは躊躇ってました。

小綠

つまりさんは半年以上ROMってこれ以上ないほど考えて、行動するための準備がいつでもできてたってことなんじゃないですかねえ。動くタイミングが読書会だったのは非常に光栄です!

つまり

読書会を経て、自分の言葉を持つのがどんなに大切なことか痛感しているんです。感想を直接送るという今までに経験ないほどの行動力となり、こうしてシャオリューさんとの対談につながったので。自分と他の方の経験が重なったり、自分になかった新しい視点に出会ったり、それが言葉を持つきっかけとなったり……そういう広がりと強さを身を以て体感しています。

小綠

……つまりさんはネガティブなんじゃなくて、学習性無力感だったんじゃないですかね? だってなにひとつ社会は変わってないのに、自分にやれることがあるって分かった途端こんなに溌剌とされてるじゃないですか。

つまり

やっぱりシャオリューさんはネアカだなと思います。私はきっかけがあった今でも……こうやってお話してる時でも、自分の発言にひよってしまうことがあるんです。

小綠

人間誰でもひよりますよ! 俺もです。やっぱりつまりさんはネガティブじゃないと思います。学習性無力感と内的コルセットへの対処を考えて、事実と想像を分けて恐怖をコントロールする努力を続ければ、つまりさんは正しく真面目な性格になれるんじゃないですかね。

つまり

すごい…! なんだかメンクリのカウンセリングのようです。ネガティブをただ否定するのではなく、賢く考えて行動していかないとなんですね……。まだ難しそうではありますが、これからは自分の考えていることを言語化しながら、恐怖をコントロールしていく訓練を重ねていきたいと思います。

小綠

ええ⁉︎ メンクリのことは何一つ知りませんし、心理学じゃなくって100%フェミニズムですけど、つまりさんのやる気が出たならまあ何でもいいです‼︎‼︎ これからも一歩ずつ脱コルやっていきましょう!

つまり

ね、ネアカ……‼︎‼︎

たとえ救世主が来たって……

小綠

この機会ですので、疑問質問感想まだまだ何でも言ってください〜。

つまり

……フェミニズム直接関係ないかもですが、ひとつ聞いてみたいと思ったことがありました。

小綠

大体何でもフェミニズムの視点から話す癖が付いてるので、ご安心ください!

つまり

シャオリューさんはフルタイムで働きながら大学の勉強、それも興味関心や得意分野でない数学や英語に力を入れて勉強されているのが凄すぎるなと。苦手分野は必要を理解して自発的に勉強しようにも、一日仕事して疲れている中で続けていくのは大変だろうと分かるからこそ、私はフルタイムの仕事に尻込みしている部分があり……。どうやって日常生活と勉強を両立されているのか気になります。

小綠

自分を信用するのを辞める計画を立てました!

つまり

じ、自分を信用しない計画⁉︎

小綠

勉強をしようと思ってできるなら、俺はとっくの昔に大学に行ってますwwww 人間の行動って奴はほぼ無意識で行われているんですから、やる気みたいな不確かなものに期待しちゃ駄目ってことです。だから仕事終わったら、勉強をする場所へ行く習慣をつけました。

つまり

仕事終わりで勉強すると決めるのではなく、勉強する場所へ行く、ですか?

小綠

はい! 勉強スペースに行って金で解決です‼︎ 疲れて家帰ってご飯食べて、そこに布団があったら人間寝転がっちゃうものです。自分を責めてもしょうがないんです。環境を変えるんです。

つまり

か、金で解決というとアレですけど、要は習慣を作る計画を立てたんですね。……勉強ではないのですが、自分もその方法と同じようなことしてました。洗濯する直前にランニングするようにしたんです。どうせ洗濯するなら走って汗だくの服を入れないともったいないと思って、半年くらい続いています。

小綠

ブラボー‼︎ 確かに同じですね! やっぱこの方法は、何かのついでにやるっていうのが肝なんですね。あとは勉強するツールも、本は使ってません。英語は動画(Try it)、算数はwebページ(カーンアカデミー)で勉強してます。勉強が苦手な人ほどゆっくり進んで何度でも簡単にやり直せる、視覚・聴覚両方に訴える電子ツールを使った方がいいです。

つまり

自分を信じないというより、総力を上げて勉強するまでのハードルを下げたということが伝わってきますwwww ここでも無駄なネガティブにならないよう、細心の注意が必要なんですね。

小綠

勉強するハードルを下げまくって気づいたのは、こんなやり方でも一歩ずつ進んでいるということです。今は個人の適性に合わせて色々な勉強法が無料で享受できます。つまりさんもよかったら試してみてください。 俺は姿勢がよくなくて疲れやすいのが悩みだから、ついでに体力づくりしよっかな〜!

つまり

確かに勉強って無意識にハードルを上げがちですね。意識して下げるくらいでいいのか……。

小綠

あとはまあそれでも人間は定期的にダラダラしてしまうものなので、儲かることを勉強しなきゃフェミニズム活動どころじゃなくなるぞ! と思い返すようにしています。ワーキングプアでフェミニズム活動はできませんから。

つまり

本当にそうですよね……。フェミニズム本も安くないですし、何より今私は数年後の自分の生活が想像できないんです。元々絶望感が大きくて長生き願望が枯れていたから手取りの少ない仕事をしているのか、手取りが少ないから絶望感が大きくなっているのか、いずれにせよ危うく女性差別への解像度だけは高くなったまま、絶望の海に溺れ死にそうでした。

小綠

俺にはつまりさんの絶望が、どこから始まっているのかは分かりません。それに絶望の始まりが手取りが少ないことでも、長生き願望がないことでも、きっとそんなに大差ないですよ。どっちも社会問題です。重要なのは絶望の思考の海に溺れず、脱コル運動で行動を通して現実を無視しなかったことじゃないでしょうか。

つまり

……でもどうしても自分はネガティブに考えて、動けなくなってしまうんです。話戻しますけど、今もシャオリューさんの力強くて誠実なお言葉にとても勇気付けられている一方で、やっぱりシャオリューさんみたいにポジティブに考えることが難しくて。脱コルに出会って救われた部分と同じくらい、脱コルしていて苦しいんです。シャオリューさんみたいに元気で強くはいられない自分が嫌になっても、そこから抜け出すこともできずにいて……。

小綠

内的脱コルの結果ですよ。俺が元気に見えるのは、ネアカってのはありますが、トレーニングしているからなんです。筋トレせずにはムキムキになれないのと一緒です。

つまり

すみません「トレーニング」の部分が分からないです。シャオリューさんのムキムキな程健康に見えるポジティブさは、筋トレした成果ってことですか?

小綠

ムキムキなほどポジティブに見えてるんですかww⁉︎ あのですね、女性差別で成り立っている社会に気づいて、どうして絶望せずにいられます?『わたしの人生を壊しに来た救世主』という重い力に潰されないためには、健全な精神と健康が絶対に必要なんですよ。

つまり

え‼︎‼︎ シャオリューさんも絶望することがあるんですか⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎

小綠

するわ〜〜〜〜‼︎‼︎‼︎ ネアカだけで日本を生き延びられる訳ないじゃないですか〜〜⁉︎⁉︎

たとえ救世主が来たって……
つまり

ネクラな自分でも精神を鍛えることで、考え方を健全な方向に変えられるっていうことでしょうか? 確かに自分はフェミニズムという救世主のおかげで女性差別というものへの解像度が上がって、この世界に今まで感じていた謎が解けてスッキリしました。だけどそのスッキリは、自分の生活に目に見える救いをもたらしてくれるわけではないんですよね。解像度が上がったぶん、世界の滅茶苦茶さに押しつぶされていました。脱コルも実践する中でどんどん社会や自分のなかのバイアスに気づいて、簡単に「脱げばいいじゃん」とすぐに解決するものではない程、それが強固であることを実感させられ続けているようでした。

小綠

うん、そうですね。ポジティブ・ネガティブの話をしたとき、「社会が変わらないと変わらないことじゃなく、自分で変えられることに注力しよう」って言いましたが、単純に考え方を変えるって意味で言ったんじゃないんですよ。俺が言いたいのは落ち込んでも上手くいかなくても潰されそうになっても、一瞬ポジティブになろうってことじゃないんです。内的脱コルしてそんな滅茶苦茶な社会を生き抜くための精神を鍛えようってことなんです。

つまり

内的脱コルっていうのは規範的女性性という内面のコルセットを脱ぐことだと思いますが、精神を鍛えることとは違う意味で言ってますか?

小綠

これは俺の考えですが、内的コルセットを脱ぐだけではとっ散らかったままなんですよ。女性差別で成り立ってる世界で生き延びるための戦略を考えるところまで内的脱コルに含まないと、絶望からは逃れられません。それを精神を鍛えると表現しています。

つまり

女性差別で成り立っている世界で生き延びるための戦略を考えることが、精神を鍛えるということ……それがシャオリューさんの言いたい内的脱コルだというのは分かりましたが、ポジティブ・ネガティブの話とどう違うのかと言われると、まだ上手く繋がりません。

小綠

ポジティブ・ネガティブは感情の話です。それ以上でもそれ以下でもありません。俺が内的脱コルの話で伝えたいのは女性差別で成り立っているこの社会で、生き延びるための理論、戦略、プランを考えようってことです。そこにあるのは合理的で理論的で現実的な話なはずです。

つまり

これまで私が社会に絶望してきたっていうのは、感情に押しつぶされて理論的に考えられてなかったということですね……。

小綠

ちょっと違いますね。社会が女性を差別して成り立っていると気づいて、感情に支配されて滅茶苦茶になるのはあたりまえ体操です。問題はそのあと、じゃあどうやって生き延びていくかという話に思考を向けるのに、つまりさんは時間がかかっているだけなんですよ。俺は早々に絶望するのに飽きたんで、思考を鍛えることにしたのです。

つまり

ん? 絶望するのに「飽きた」んですか⁇

小綠

いやだって、絶望したって社会は変わらず女を虐待し続けてるし……。
脱コルに出会うまではどう戦えばいいのかは分かりませんでしたが、女が諦めたり絶望するのって、社会にとって好都合なんじゃないのかなって30歳くらいでぼんやり思ってましたね。……机上の空論をダラダラ考えてても何の進展もないし……ちなみにこういうの、俺の住んでる辺りでは『いらち』って言います!

つまり

ずっと社会が女を虐待するのをどうすればいいのか、私はこの数年分からないままうずくまってきましたが……シャオリューさんはその何も生まれない状態に、イライラしたから思考を変えたってことです⁉

小綠

フェミニズムの話してるとは思えない喧嘩っ早さですが、まあそうですねwwww 脱コルに出会って怒りをどう扱ってどう戦えばいいのか、今も模索中ではありますが戦略を考えられるようになりました。絶望に浸ってダラダラ話を捏ね回すのに飽きたら、フェミニズムを机の上から降ろして現実の前に置いてみましょうよ。

つまり

……自覚はありませんでしたが、少し思い返すと……私も飽きてましたね‼︎‼︎

小綠

アッハッハッハ‼︎‼︎ いいぞ‼︎ じゃあ後はシンプルにいきましょう‼︎ 大丈夫、文系大卒女子の、この国での戦い方の選択肢はそんなにないですから‼︎

つまり

……たぶん行動するためのユウキがない、んでしょうね。現状維持だとどんどん悪くなるのは分かってはいるんですが、行動を変えるための気力を持つのが難しいです。

小綠

待ってください、つまりさんまた感情の話として考えてしまっています。俺は今、問題を分けようって話をしてるんです。まず自分にはどうにもできないこと、自分で変えられること、戦略を分けるんです。行動しようって話は、まだしてません。

つまり

自分にできることを考える…………。

小綠

ハイ、もう一回待ってください。つまりさんがしたいかしたくないかの話も、一旦脇に置いてください。そうやって考えると途方に暮れるので。現実的につまりさんが持っている選択肢を挙げてください。

つまり

と言われましても、その違いがあんまりよく分からないんです。

小綠

例えばつまりさんが日本国籍をお持ちなら、知っている知らない、やりたいやりたくない関係なく、ワーキングホリデービザを利用する権利を持っています。だからワーキングホリデービザは、現実につまりさんが持っている選択肢のひとつです。そうやってまずはただ情報を分類すると、途方に暮れずに済みますよ。

つまり

なるほど、その考え方は自分には無かった発想でした。やりたいことは何かという方向でだけ考えて、立ち止まってしまっていましたね。でも自分が何を選択肢として持っているのか、完璧に把握して分類することは難しそうです。ワーホリという選択肢を自分が持っていることも、今言われて初めて気が付いたので。

小綠

そりゃそうですよ。完全な分類をすることが目的じゃないし、完全なプランを作ることは不可能です。でも今目の前にある問題を分類するだけでも、頭はスッキリするもんです。例え問題が解決できていなくても、むやみに絶望しなくてもよくなります。

つまり

自分の持っている気付いていない選択肢があるなら、そこの情報収集もしていかなきゃですね!

小綠

……う〜ん、ゴミ屋敷のそうじで例えるなら、今のつまりさんは目の前のゴミを見て見ぬ振りして、新しい収納道具を買おうとしています……。情報収集に終わりはないので、繰り返しますがまず目の前の山を分類しましょうよ。それが始まりです。

つまり

あ〜、それはだめですね笑。結局モノが増えて片付かないパターンに陥るところでした。自分の目の前にある雑多に散らかった山に向き合うことは、綺麗に見えるものを探しにいくよりも苦痛を伴う大変さがありそうです……。山のままなら面と向かって向き合わずにいられた部分にも向き合わなければならないし。でもここを放置していては一生片付かないままだということですね。

小綠

分類に終わりはありませんし、いきなり完璧な分類ができる訳もありません。まずは大雑把に分けましょう。またしてもゴミ屋敷を例に出しますが、目の前の山を服類と、空のペットボトルと、惣菜のトレーみたいに分けるんです。そして別々の袋に入れましょう。何かよく分からないものに手を付ける必要はありません。複雑な内的脱コルも、取り組み方は外見の脱コルと一緒です。

つまり

まさに最初にA型さんのところでお話したことなんですね。対談を進める中で少しずつ話がクリアになってきたように感じます。「大変さがありそう」と言っている私は、まだコルセットを脱いでいないまま頭の中で考えているだけの状態なんだ……。

小綠

大丈夫です! ここまで来てひとつもコルセットを脱がずにお返しする訳にはいきません! ひとつでもコルセットを脱ぐか、せめてゆるめて帰っていただきます! さあ、始めますよ!

つまり

力強い! よろしくお願いします‼︎

シャオリュー、脱コルの強要をする

つまり

じゃあ……まずはどうしたらいいんでしょう?

小綠

とりま何でも視覚化したほうがいいので、紙とペンを用意してください。

つまり

了解です。えーとまずは、大きなゴミ袋の名前を付けたいです。……『自分が日本で歳を取ることの想像ができない』……かな。多分色んな不安が全部、この袋の中に入っていてごちゃ混ぜになっていると思います。

小綠

なるほどですね。では早速そのごちゃ混ぜを、なるべく文章化して箇条書きしていきましょうか。

つまり

分かりました。えーと……時給、貯金、年金、値上げ、生活、家賃、地元の結婚圧、病気……。

つまり、内的脱コルを始める。
小綠

うわ〜……凄く気持ち分かります……。これだけでもスッキリしましたね。

つまり

スキル無し、資格無し、経験不足、体力不足だから、フルタイムで就活を始めることへの不安があって今パートタイム……ここは病気とかに比べると、自分次第でどうにか変えられそうですね。

小綠

そうですね。じゃあ資格なら何でもいいのかって話になりますが、当然違います。それは金を産むのか?というのを基準に考えてください。資格というより武器を手に入れるイメージで考えるんです。前にも少し話しましたが、数学、英語は世界中どこでも大きな武器です。今勉強されている社労士の資格、儲かります⁇

つまり

社労士でも稼いでいる人はいますが、現スーパーレジ打ちがいきなり社労士試験に合格したところで使いこなすのは難しいですね。ただでさえAI時代には不要になるかもと言われていますし。

小綠

もちろん儲からないからって勉強すんなとは言いませんが、社労士はレジ打ちより儲かってから勉強してもでもよくないです……⁇

つまり

う……それはそうです。社労士の勉強は武器を増やすという目的ではなく、日本社会の仕組みがいかに女に男と番わせて子を産ませようとしてくるのか、年金制度が破綻しているかの答え合わせを重ねて、絶望を深めていただけのような気がします。

小綠

よし!辞めましょう‼︎ 本はメルカリで売ってください!

つまり

売ります‼︎ でも儲かりそうな資格と言われてもあまりピンときません。

小綠

日本だとTOEIC、後はITパスポートが近道じゃないでしょうかね〜。

つまり

MOSはどうですか? エクセルとワードが使えたら世界中どこでも通用しますし。

小綠

その通りですが、ハードルはTOEIC、ITパスポートより上がりますよ。 とりま最初はすぐに取れそうで近道になる資格のが、早く先に進めると思います。早く火を通したいなら、じゃがいもは小さく切れっていいますよ。

つまり

一歩ずつ着実に、ということですね……。

小綠

まずは経験無しで入れるところに入り込むっていう方法はありますけどね。同時に武器を持つために勉強するのはいいと思います。

つまり

なるほど、ここで試験日とか、値段とかの情報収集をするんですね。

小綠

そうです! 今ならアプリとかで勉強もできたりするので、お金あんまり使わない現実的なプランを立てましょう。

つまり

……今回こうしてお話する中で、自分が今まで何に躓いていたのかが分かってきた気がします。

小綠

疲れたと思いますけど、スッキリもしたんじゃないでしょうか? じゃあ実際に内的脱コルしてみましょう!

つまり

では実際に内的脱コルした後半に続く!

小綠

ジャイル〜‼︎ 後半も見てね〜!

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