書評『薔薇はいいから議席をくれよ』

目次

フェミニズム書評、はじめました。

昔の小綠

『私は自分のパイを求めるだけであって人類を救いにきたわけじゃない』のキム・ジナさん第二弾〜〜‼︎

小綠

『薔薇はいいから議席をくれよ』2022年5月紙&電子書籍、発行おめでとうございます~!!!!

俺は楽天で電子書籍を買いました〜イエーイ!!

昔の小綠

めでたい上に衆院選前の前というタイミングも絶妙。やるなアジュマブックス!

小綠

選挙をテーマにしたフェミニズム本なので、是非とも今読んでほしい!
早速張り切っていってみよう‼︎

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著者紹介

昔の小綠

Twitter日本語圏で爆発的にキム・ジナさんの認知度が上がった、伝説の演説! 「女性一人でも住みよいソウル」!

小綠

そう! 女性党のソウル市長選挙立候補!
女でこの演説に感激しないなんてあり得る??
『薔薇はいいから議席をくれよ』はこのときの選挙の話がいっぱい載ってるって訳! いつ読んでも最高だけど、選挙戦の時こそ是非読んでほしい!

昔の小綠

この本の著者プロフィールではコピーライター、カフェ・ウルフソーシャルクラブの運営をされているとあるけれど、本文の中では企画者、コピータイター、小規模経営者にして作家、講演者、あとは政治家とある。

小綠

『コア・キャリア』はコピーライター、というのが格好良いぜ!

ピックアップ

小綠

全部の章を推したい気持ちを押し込めて、ピックアップを考えた!

死は徹底して個人的な経験だ。しかし権力も経済力もない若い女性たちが感じる死の誘惑となれば、それは明らかに集団的経験だ。裏にはまともな就職先と自立の機会を与えない男性中心社会の構造的暴力が潜んでいる。

自分を取り巻く苦痛が決して個人的な至らなさやあやまちや不運のためではないという事実、何も言わずに消えたい誘惑は自分だけではなく多くの女性が抱いている苦痛の経験だという事実を、女性たちに知ってほしい。

女たちを死に追いやり続ける現実に立ち向かい、「一人の姉妹も失うものか」と叫ぶ声を記憶に刻んだならば、ある種の自殺は明白な虐殺であるという洞察を共有できたならば、あなたはきっと、あなたの隣で同じ誘惑にさらされている女性を引き戻そうとしてあげるはずだ。

『薔薇はいいから議席をくれよ』キム・ジナ
昔の小綠

ここは新型コロナウイルスの話だな……。
例に漏れず韓国もCovid-19で女性たちの自殺率、失業が増えたんだよな……。

小綠

Twitterで給付金デモを始めたときは、まさかこんなに何年もツイートすることになるとは夢にも思ってなかったよ……。
普段は少子化少子化言って脅してくるし、日本の伝統的にも生かさず殺さず端金をちょこちょこ出して、ガス抜きすると本気で思ってた。
放置して弱い立場の女を静かに見殺しにするなんて……日本は未だ女の身体を男たちに植民地化されている棄民の国でもあったのに、本当に考えが甘かった……。

昔の小綠

でも今も#Twitter一揆やってるじゃん。

小綠

あ゛ー……。普段は忙しくて野菜は食べられないけど罪悪感を薄めるために、せめてコンビニで野菜ジュース買ってる感じというか……。意味はなくても『自分は単身女性のために黙らなかった、行動した』って思いたいだけ。自己満足の域を出ないことくらい分かってるよ。

昔の小綠

女性がどれだけ死のうが、多くの国民は気にせず自民党に入れ続けるしな〜。ただトランス女性の件で野党に投票したくない諸姉の気持ちも、俺も大いに大いに理解できる。だけど自民に入れたって、何も変わらない。単身女性は無視され続け虐殺され続けるだけだよな。

小綠

キャリアも金もない俺は、社会を変革できる力を持つ女性たちの仲間には入れない。
それでもただ有能な女性たちのおんぶに抱っこになるだけじゃなく、脱コル運動やフェミニズム本を買うこと、たとえツイートのひとつでも。ささやかな悪あがきに疲れることもあるけど、決して諦めないでいてやる! という思いを新たにしたよ。

昔の小綠

……個人的なことは政治的なこと、だな。女ひとりでも住みよい世界が、絶対に絶対に必要だ‼︎

評価

Excellent!

  • トランスカルトに屈していないフェミニズム本。
  • 日本語タイトルが良い。
小綠

最初にはっきりさせておく。俺はどんなに良書と呼ばれるフェミニズム本でも、女性の権利と同時にトランス女性の権利についても語っている本に金を出す気はない。有名なら図書館で借りて目を通すことはあっても、基本的に話半分で流す。

昔の小綠

女性差別とトランス女性といわれる自分を女だと思っている男への社会からの偏見を同列に語る奴は、いざというときに必ず女を売る。
俺が言い切る理由は、俺たちの生きているのが男性優位社会だからだ。基本的にいつだって女性は譲らされる。それだけで同列に語らない理由には充分だ。

小綠

興味を持った本一冊読むのも、警戒しなきゃいけなくなってうんざり〜。最近は絶対に気になった本は目次はチェックするようにしてて、トランスに一章割いてあるなら絶対買わないし読むの辞めた本あるよ。

昔の小綠

男の問題を本に入れるよう脅されてどうしようもないなら、フェミニスト本ではなくヒューマニズム本として売るべきだ。男が好きな格好をすることの権利は、ヒューマニズムかマスキュリニティの両分だ。何故なら問題の原因は男たちにあり、被害者もまた男たちで、女の出る幕はどこにもないからだ。
それに1ページでも1行でもフェミニズム本の中で男性優位社会に迎合して、女たちに申し訳ないと思わないのだろうか?

小綠

2、3千円のフェミニズム本が女性にとってどれだけの価値を持っているのか本当に分からないなら、フェミニズムについて書くのはまったく向いてないと言わざるを得ない。その点キム・ジナさんとイ・ミョンギョンさんの本は本当安心して読める!

昔の小綠

はっとするタイトルも「原題にしばられず、いっそ見た人を当惑させるような強い日本語タイトルを」というキム・ジナさんのお考えのようだ。言葉がどれだけ重要か、どうやって人に届くのかよくご存知の方の本を読めるということに、凄まじい安心感を得るのは俺だけではないだろう。

Good

  • フェミニズム本にありがちな「本はおもしろかったけど、じゃあ次の日から自分はどうすればいいんだ?」という無力感がない。
  • 最善を尽くす戦い方、尊厳を持てる負け方を指し示してくれる。
小綠

素晴らしい文章で語られるのは、何も女性にとって心地いい話だけではない。良くも悪くも現実的。恥が多い人生を送ってきた場合、耳が痛いところ多数だな!!

昔の小綠

いくら男性優位社会で女性が生きることの困難さについて、女性には何の責任もない!悪くない!と語ったって今日のメシにもならねえもんな。自分の傷を切り拓いてでも若い女性たちに生き方を語る、キム・ジナさんはユウカンだよ。

小綠

ちなみに二つ目はどういうことか引用させてもらう! せっかくのキム・ジナさんから日本の女へのメッセージだからな!

日本でも今年は重要な選挙があると聞きました。ええ、よく分かっています。世の中は変わらないかもしれない。けれどもあなたは変われます。人類に与えられた残り少ない時間を、数千年の慣性などものともせずに革命的に生きてしまいましょう。離婚とちがって人類滅亡は優美でも爽快でもないのだから、「きれいでいなくちゃ」などというプレッシャーは捨てましょう。私たち、最善を尽くして戦って、尊厳を持って負けましょう。

2022年 5月 キム・ジナ

『薔薇はいいから議席をくれよ』キム・ジナ
昔の小綠

泣く!!!! こんなこと日本人のフェミニストの誰が言ってくれる⁉︎

小綠

……しかし『コアキャリア』を持つ、かぁ……。普通の日本人女性がそんな夢のような概念を獲得できる未来は、俺が死ぬまでに来るのかなあ……。

昔の小綠

日本はそもそも高等教育進学率が問題なんだよなあ……。

Poor

  • 日本の女、まず大卒増やすところから問題。
小綠

ハイ、来ました。そもそもキャリア以前に、日本の女大学行けない問題〜。

昔の小綠

それな。この本読んで役に立てるところにまで日本社会が追いついてないの、ほんま笑い話にもならない……。

小綠

ちなみに県外のもっと上の大学を目指せたのに、親ブロックで行かせて貰えなかったとかもこの話に入るぞ!

昔の小綠

女性の高等教育進学が前提ではない国からすると、この本の内容を『遠い恵まれた国の裕福な女性の話』だと思う女性は、それなりにいるんじゃないだろうか? そういう女性ににとってはポカーンなところも多いと思う。

小綠

まあこの本をいわゆる『特権持ち』の話に感じてしまう女性が多いなら、それは日本の進学状況がおかしいからなんだけどな……。

まとめ

昔の小綠

選挙中に読むのにぴったりなフェミニズム本だけど、普通にいつ読んでもいい〜!最高〜!

小綠

日本のフェミニズムのスピードは韓国には引き離されるばかりだけれど、それでもやれないことが全くない訳じゃない。ヘルジャパンの現状にへこたれそうになっても、この先には必ず韓国の女性たちがいるのだという事実は、すべてを諦めるには早すぎるという実感に繋がるよ。

昔の小綠

女たち。韓国の女性たちのようにはいかなくても、最善を尽くして戦おう! 尊厳を持って負けよう! 決して決してもう二度と、女が薔薇のように黙って静かに綺麗に散る社会を許してはならないよ。

小綠

読んだ皆は俺と握手ーー!!
握手の後は、自分とすべての女性たちのために一緒に行動していこうぜ!

それではまた次回お会いしましょう。ハヨンガー!!



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