フェミニズム書評、はじめました。
ジャイルー!シャオリュー(@GreenEyes_Fem)でーす!
キム・ジナ著『私は自分のパイを求めるだけであって人類を救いにきたわけじゃない』
紙書籍6月末発行&7月5日電子書籍発行おめでとうございます~!!!!
俺は楽天で電子書籍を買いました〜イエーイ!!
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イエーイ!!
しっかし『書評』とは大きく出たなー!ヒュー!
っていうか、書評って何??
書評とは主として新刊書籍の内容を批評すること。通常、著者紹介、内容の紹介や分析、客観的位置づけなどが行われるが、印象批評の色彩が強いものや、なんらかのカテゴリーやテーマを設けて類書を選択・比較するものも含まれる。
コトバンク 日本大百科全書(ニッポニカ)
うるせいうるせい!んなこた自分が一番分かってるわ!
でもいくら文章が上手くても、リベフェミやトランスカルトの書いたコラムや書評って、机上の空論だったり何をどうすりゃいいのか分かんないし、いつ背中から撃たれるか気が抜けないじゃん⁉
日本にも安心して最後まで読めるフェミニズム書評が必要やろ⁉
それは事実〜〜。
『脱コルセットプロジェクト』の集合知を作ったときと同じだな。
韓国みたいに相応しい誰かが素晴らしい何かを成し遂げてくれるのを待ってたけど、現れなかったから自分でやるしかなかった。
……この感情はなんなんだろうな?
王子様願望ならぬ、ラディフェミ願望?
……なんつーか俺は自分より若い子にさ、あの時何かしたいと思っていたのに、世界を変えてくれるどっかの素晴らしい女性が現れるのを、夢見て待って何もしなかった、なんて恥ずかしくて言いたくねえってだけかも。
それで俺、学歴もキャリアもスキルも文才も無いけど、こんなことしてんのかもな……。
でも待ってたらRadio Fem JPさんが現れたから、待つのも悪くはなかった!
韓国よりゆっくりとだけど、確実に日本も一歩ずつ進んでいってるって考えようぜ!
無い袖は振れないし『野望は女を活かすのだ』ってキム・ジナさんも言ってるし!
じゃあ準備もそこそこに始めるとするかー!!
著者紹介
著者のキム・ジナさんは、コミュニケーション・ディレクターです。
カフェ・ウルフソーシャルクラブの運営もされています。
広告コピーライターとしては、大韓民国広告大賞の受賞歴もあるキャリアで、いわゆる『成功したバリキャリ女性』だよな?
日本人の自分からすると、こういう女性が脱コルしたり脱婚したり、リベラルからラディカルな考えになっていくの、すごーく不思議に思った…。
あ〜普通こういうエッセイって、フェミニズムっていうより女の処世術や商業主義的成功物語になりがちだしな〜。
それなのにキム・ジナさんは、自分のことを「家父長制依存症の中毒」とか「政治的に正しくすべてのマイノリティと表現の自由を支持しつつ、男女の性別を超えて公平な判断を下す「イケてる私」に酔っていた時期がある。」って書いてる。
そして自分より若いフェミニストたちを尊敬してる。
控えめに言って凄すぎる!
更に度肝を抜かれるほど凄かったのは、女性党を作ってのソウル市長選挙立候補!
「女性一人でも住みよいソウル」の演説!
今も忘れられないよ〜!!
女でこの演説に感激しないなんてあり得る??
主語がでかいけど、気持ちは分かるわ。
俺が生きてる間に、日本で、日本語で、こんな演説聞けるか?とは思うもんな〜
確かになぁ〜〜!
日本のジェンダーギャップ指数を、ダントツで足を引っ張ってんのは「政治」だし…。
あと忘れちゃいけないのは有名な「私は花じゃない、火花だ」の合言葉も、キム・ジナさんの言葉ってことだね。
ご本を拝見する前から、日本人女性もキム・ジナさんと間接的に出会っていたんだ!
キム・ジナさんありがとうございます!
でもこのご本が韓国で重版(5刷!)かかったのは、単に言葉のキレが良くて文章が上手いからって訳じゃないよな。
この本は韓国女性たちの記録であり、変遷していくキム・ジナさんの経験から語ってくれる、わたしたちの物語だからなんじゃないか?
ピックアップ
内容はキム・ジナさんの幼少時代から広告コピーライター時代の話を経て、独立とその後から今の話と幅広いよ。
「私がいまからする話は二十代、三十代の女性にとってあまり聞きたくないものになるだろう。」って仰ってるけど、確かに〜〜!としか言えんね。
俺は三十代後半のノンキャリアだからか、キャリアがあってもこうなのか……という聞きたくなさだったけど。
どの章も本当に本当におもしろくて、マーカー引きまくってる!
でもピックアップするなら、やっぱりタイトルの章かなあ……。
日本語にするとどうしてもラノベを想起させるタイトルだけど、それでもタイトルは『私は自分のパイを求めるだけであって人類を救いにきたわけじゃない』がぴったりだなって納得したよ。
女のほうがお人好しでモラルが高い、と言えるのだろうか?違うと思う。
もしそう感じるなら、それは女が社会的にも、身体的にも、弱い存在として権力に順応してきたからだ。
女だっていくらでも不徳になれる。
男と同じくらい、あるいは男よりも残虐になれる。
何よりフェミニズムは平和主義でもなければ、モラルのための闘争でもない。
男たちに奪われてきた女の分のパイを取り戻す闘争なのだ。
一言でいえば利権をかけた闘争だ。
まずそのことに合意がなければならない。
いい気分になりたくて、癒やされたくて、もっと素敵な自分になるために、もっといい男をゲットするためにあるのがフェミニズムではないということ。
自己啓発ではなく政治の領域なのだということ。
フェミニズムは、男性中心社会や家父長制に抗う生存をかけた闘争であり、解放運動だ。
キム・ジナ『私は自分のパイを求めるだけであって人類を救いにきたわけじゃない』
Oh……!!!!
何で急にアメリカンな感じになって頭を抱えてんだよ。
山程引用したい文章だらけすぎて、読書会したい……!!!!
同意〜!
翻訳もすばらしいから、朗読会もいいかもしれん!
しかしさあ……フェミニズムの日本語訳が『女権主義』なの圧倒的に正しいんだな。
意味が漂白されがちなカタカナじゃなく、日本語を使うべきかもしれんな?
確かにそうすりゃあ「フェミニズムはみんなのもの」とか、「ツイフェミ」とかは言えなくなるよなあ。
アンチフェミの言う『フェミニズム』の定義って「ヒューマニズム」だしな。
それはとどのつまり「男の認める女性の権利」で、男性中心社会そのものじゃん。
こういうの韓国では「オッパ(彼氏)が認めるフェミニズム」って言うらしいぜ。
さすが韓日男子!言うこと一緒〜!
魂の双子といわれるだけはあるな!
日本でもフェミニズムの理解と定義がおかしいから「彼氏が認めるフェミニズム」以外は「ツイフェミ」になるんだよな。
「フェミニスト鑑定士が認めるフェミニズム」とか「旦那が認めるフェミニズム」も「TRAが認めるフェミニズム」も、どう考えても文脈がおかしすぎるよな。
どれも女の権利の運動じゃないじゃん!
自分の分のパイを取り戻したい女は、絶対この本読んだほうがいい。
そしてラディフェミたちの言い分が、過激に聞こえる女たちも聞いてくれ。
俺たちは男たちに奪われてきた、女の分のパイを求めるために生きることができるんだよ!
俺たちは人類を救いに生きなくてもいいんだ。
自分の人生に全力になっていいんだよ!
評価
まだまだ言いたいことは山程あるけど、 そろそろまとめてみようぜ!
Excellent, Good, Poor で、三段階評価をしてみます!
書評っぽくなってきたな〜〜!
Excellent!
- 繋がってないエッセイなので、章ごとに読める。
- 素晴らしいと文章と、読みやすい翻訳。
- 電子書籍版がある。(Amazonなら安い。楽天なら二千円から割引クーポンが使える)
- 4B 6B 4Tへの理解が深まる。
- フェミニズムに入門しただけじゃ開放されないと書いてある。
最後のだけちょっと説明させてほしい。
これを書かれたことは、めちゃくちゃ重要で画期的だと思うから。
私は四十になった年に遅ればせながらフェミニストになった。
だが、体型と体重へのひそやかな執着は、自分をフェミニストだと認識してからも続いていた。
ただのフェミニストじゃ物足りない。
(中略)
男たちには高嶺の花の「クソ女」、女から見てもカッコいい「ガールクラッシュ」こそ、よりリベラルで強力なフェミニストだと思っていた。
(中略)
いつまでがんばれる?
いつまでおばさんじゃなく魅力的なフェミニストとしていられる?
過去の賛辞や評価はむしろ足かせだった。
(中略)
女性解放運動のフェミニズムに入門しても、まだちっとも開放されていなかった。
気づきを与えてくれたのは、十代、二十代の女性が主導する「脱コルセット」運動だ。
キム・ジナ『私は自分のパイを求めるだけであって人類を救いにきたわけじゃない』
……あー。何でわざわざ説明したか分かったわ。
フェミニズムって、気づいて、知って、勉強して、研究するだけじゃ不十分なんだよな。
だってフェミニズムは社会運動じゃん。
そうなんだよな。
でも4B運動が発明されるまでは、デモや講演会に参加したり、大学で学んだり、Twitterでフェミ垢を作ったり、フェミニズムの本を読むとか、基本的に個人でやれる範囲でしかできることがなかった。
勿論人によってできることは全然違うし、違うからこそフェミニズムも、フェミニストの定義もしづらかった。
これフェミニズムの不都合な真実だと思う。
「脱コル」は女性なら誰でも参加できるもんな。
スピードや頻度は人によるけど、仲間が世界中にいて、毎日行動できる社会運動だ。
俺の記憶ではこれまで読んだ名著といわれるどの本にも、フェミニズムを気づいて、知って、勉強して、研究するだけじゃ駄目だとは書かれていなかった。
どれだけ興味深いことが書いてあっても、大抵結論は「女!負けるな!頑張ろう!」の根性論だった。
新しい思考も言葉も覚えたけれど、この本を閉じたら何も変わらない明日があるだけ。
「結局どうすりゃいいんだよ??」ってずっと思ってた。
脱コルは韓国ラディフェミたちの「毎日誰にでも参加できるフェミニズム」という、フェミニズム史上の大発明といっても過言じゃない。
そのことを日本語の書籍で読めることは、この本の最も素晴らしいところだと俺は思う。
Good
- 注釈が少なく「4B 6B 4T」「脱コル」「脱婚」への言及がない。
- ぴったりなイメージカラー変更。(ただし色相環的には無関係ではない?)
注釈、少ないか?
そんなことないと思うけども。
色はなー…キム・ジナさんも書かれてたけど、広告にはありとあらゆる段階で山のような修正が入るらしいし、本も同様に日本で売るにはいわゆる色んな大人の事情があるんじゃん?
まあ、色に関しては配色の見本帳で調べてみたけど、青緑と黄色は配色的に紫と関係あったし、個人的にはハッキリした色も表紙のデザインも悪くないと思ってる。
断っとくと、俺は日本ナイズされたら全部ダサくなるとは思ってない派。
例えば「キム・ジヨン」の表紙は、日本版が頭ひとつ抜けてると思ってるよ。
「自分パイ」は韓国版の表紙のデザインが、素晴らしすぎるって結論だな。
注釈の件は?
事件や文化の注釈に対しては満足してる。
俺が言いたいのは、4B 6B 4Tに対しての注釈が欲しかったってこと。
日本ではNHKが脱コルについてデタラメ言って、その後謝罪も訂正もしなかった経緯があるだろ?
どうしても脱コル運動はじめ4B 6B 4Tは、間違って認識されやすい。
これだけしっかりした内容の本に注釈で説明があったら、あんまり詳しくない人のためにも、今後のためにもよかっただろうなと思った訳。
分からん訳ではないが、一冊のエッセイに対して期待値がでかすぎとも言えるな。
ちょっとばかしフェアじゃない。
だからPoorじゃなく、Good(普通)って判断なんだな。
Poor
- 表紙のイラストが女性性を強調している。
最初に言うがイラストレーターの女性や、絵に文句がある訳じゃない。
繰り返すが様々なアイデアに、ありとあらゆる段階で山のような修正が入るらしいし、日本で売るにはいわゆる色んな大人の事情があるってことは、俺にも分かってる。
だけど絵ってのは様々な思惑が詰まってるもんだ。
これは、よりにもよってこの本で、女性性を強調させる描写をしなくてもよかったんだよ〜っていう話だ。
これについては百の言葉を尽くすより、この二枚の表紙画像を見てもらう方が早いな
Oh……!!!!
並べるとアメリカンな感じになって頭を抱えちまうよな〜。
これについてはわざわざ説明はしないことにする。
何が『女性性の強調』の描写なのか、あなたに考えてみてほしい。
まとめ
……なあ、これ『書評』?
知らんがな。
圧倒的『感想』率の高さは気になるけど。
これからも書き続けるから『書評』ってことにしといてほしい。
まあ書評の話はともかく、この本は今世界で最も読むべきフェミニズム本!と言って過言じゃないってことは確かだから!
日本でも、キム・ジナさんやイ・ミョンギョンさんみたいな女性が現れるのが待ち遠しいな!
それもそうだな!!!!
読んだ皆は俺と握手だーー!!
それではまた次回お会いしましょう。ハヨンガー!!
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